仕事のやり方が変わる

 PMBOK(ピンボック)という言葉を聞いたことがありますか?
 PMBOKとはProject Management Body of Knowledgeの略で日本語では「プロジェクトマネジメントの知識体系」になります。米国プロジェクトマネジメント協会(PMI)が、ほぼ4年ごとに改定しており、プロジェクトマネジメントの世界標準と言われています。
 今年、PMBOKが大幅に改定されました。予測型プロジェクトマネジメントから適応型プロジェクトマネジメントへ大きく舵を切った形になっています。現在のように、先の読めない時代には、あらかじめ将来を予測して綿密に計画を立てプロジェクトを進めるのではなく、その時の状況に適応しながらプロジェクトを進めることが実効的です。このような考え方は、アジャイル型開発手法として、ソフトウェア開発分野では取り入れられていましたが、今回、ソフトウェア開発にかかわらず、多くのプロジェクトで有効性が認められ、PMBOKでも全面的に取り入れられたということになります。
 実は、アジャイル型開発の考え方は、ソフトウェア開発分野で採用される前にも存在していました。たとえば、今までにない製品を企画する現場、基礎的な研究開発を行う研究所でのプロジェクトは、そもそも、結果を予測することが非常に困難です。このような領域では、アジャイル型プロジェクトマネジメントが適しています。
 皆さんも、アジャイルな仕事の進め方を採用されてはいかがでしょうか。ご興味のある方は、当社にお問い合わせください。当社のプロジェクトマネジメントの専門家(米国プロジェクトマネジメント協会認定PMP)がご相談させていただきます。

 アジャイル宣言と呼ばれるソフトウェア開発者による宣言が、アジャイル型開発のもとになっています。私はこれを読んだときに、17人の開発者の覚悟に共感しました。以下にアジャイル宣言の全文を引用します。

※文中の「左記」とは「プロセスやツール」「包括的なドキュメント」「契約交渉」「計画に従うこと」を指しており、「右記」とは「個人と対話」「動くソフトウェア」「顧客との協調」「変化への対応」を指しています。

アジャイルソフトウェア開発宣言

私たちは、ソフトウェア開発の実践
あるいは実践を手助けをする活動を通じて、
よりよい開発方法を見つけだそうとしている。
この活動を通して、私たちは以下の価値に至った。
プロセスやツールよりも個人と対話を、
包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、
契約交渉よりも顧客との協調を、
計画に従うことよりも変化への対応を、
価値とする。すなわち、左記のことがらに価値があることを
認めながらも、私たちは右記のことがらにより価値をおく。
Kent Beck
Mike Beedle
Arie van Bennekum
Alistair Cockburn
Ward Cunningham
Martin Fowler
James Grenning
Jim Highsmith
Andrew Hunt
Ron Jeffries
Jon Kern
Brian Marick
Robert C. Martin
Steve Mellor
Ken Schwaber
Jeff Sutherland
Dave Thomas
http://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html
© 2001, 上記の著者たち
この宣言は、この注意書きも含めた形で全文を含めることを条件に自由にコピーしてよい。